大阪府泉佐野市、岸和田市、泉南市、貝塚市、泉大津市、和泉市、泉南郡(熊取町、田尻町)の訪問医療マッサージ・訪問リハビリマッサージ|KEiROW(ケイロウ)熊取ステーション

熊取ステーション
【営業時間】8:00~19:00 内8時間【定休日】土・日  祝日は変動有り【電話番号】0120-984-775 お問い合わせ

もう一つの手

2021年07月21日

前回のブログ『流派』にて記述した、関西伝統指圧の特徴は幾つかあるのですが、その一つに『指圧器』があります。

指圧にも様々な流派があるでしょうが、コレはおそらく関西伝統指圧特有ではないでしょうか。

写真にあるように、テトラポッドのような形をしています。
三つの先はそれぞれ太さが違います。
それぞれ、親指の指腹、指先、指尖となっています。
細ければ細いほど、同じ体重をかけても強い刺激になります。

関西伝統指圧を習う者は、一度はこの『指圧器』に夢中になります。
なぜなら、手造りだからです。

朴(ほお)という木の板材を購入し、切り出し、己の手のサイズに合わせてひたすら削っていくのです。

これが大変なんです。

まず、朴の木が手に入りません。
本当に限られた店に、限られた数しかないので探すのが大変です。
ハマると木目や色味などにこだわるようになるので、さらに大変です。
まな板くらいのサイズの板から四つくらいは作れるのですが、木目を気にすればその場所によっては少し大きめに切り出すため、一つしか作れません。
沼です。ハマれば抜け出せません。

本来は彫刻などに使用する木材らしいので、加工しやすいのですが、それでも素人がナイフやヤスリなどを駆使し整形していくのは本当に大変です。

ただ、段々とエスカレートしていき、気づけば本業の勉強やマッサージの練習よりも夢中になる人もいます。

削りすぎたら元に戻らない、躊躇すれば使い物にならない。
慎重に、時間をかけて作っていれば、自然と愛着が湧く。少しづつ己の手に馴染んでいく。
そうして完成した『指圧器』は、自分のもう一つの手なのです。

最近は使う機会もないですが、世界に二つとない、大切な大切な、僕のもう一つの手です。

前の記事はありません